血糖の乱高下で悩んでいるあなたへ
こんにちは🌸
おうちのドクターの田中です。
糖尿病専門クリニックである当院は、日頃より多くの糖尿病患者さんに来院いただいており、今回は1型糖尿病の患者さまへ向けてのお話です。
1型糖尿病は、膵臓でインスリンを作る細胞が破壊されてしまい、インスリン分泌がほとんどもしくは全くない病態のことです。
糖尿病のなかで1型糖尿病患者さんの割合はわずか5%程度といわれています。
自身でのインスリン分泌がないため、ほとんどの患者さんの1st治療は
インスリン注射療法一択となります。
昔と比べ現在のインスリン注射製剤は各段の進歩を遂げておりますが、
注射の単位数の調整がうまくいかず、幾種類のインスリン注射を頻回に駆使しても
血糖のup downを繰り返し、日々悩まれている患者さんもまだ少なくありません。
ではなぜ血糖管理が難しいのか?
そもそも1型糖尿病患者さんは、インスリンのみならずグルカゴン(膵臓から分泌される血糖値を上げるホルモン)の分泌が障害されるため、予期せぬ低血糖が起こりやすい、またインスリン注射の効き方と血糖推移がうまくマッチしていない、忙しかったり疲れていたりで注射を時間通りに打てない、忘れてしまう等の理由が挙げられます。
特に職場や学校等外での注射や血糖測定は、人目を気にしてトイレなどに移動して行う
方も多く、その手間も患者さんの大きな負担となります。
なかでも1型糖尿病患者さんにとって発症のリスクが高い無自覚性低血糖
(いわゆる手の震えや冷や汗等の自覚症状がでないまま突然意識障害や昏睡等を起こす)は日常生活に大きな支障をきたし、時に生命を脅かすほどの事態になることもあります。
そこで救世主として登場したのがインスリンポンプ療法です。
携帯型ポンプを皮下に装着して、インスリンを持続して注入する治療です。
約60年前に開発され、以降改良、進化を重ね、2000年以降は日本でも
ポンプの有用性が徐々に広く認知されるようになりました。
近年では、1型糖尿病の診断後、早々にインスリンポンプを選択されるケースも多いよう
です。
時代は、従来のインスリンポンプ療法に加えて、血糖測定のセンサーを同時に装着し
リアルタイムで血糖をモニタリングできるようになったSAP療法(Sensor Augmented Pump)へ、そして近年では、なんと、自動でインスリン注入量を計算し血糖調整をして
くれる、あたかも人工すい臓のようなポンプへと進化を遂げています!
注射製剤や血糖測定器を携帯する必要もない、常に安定し持続したインスリン注入ができる、血糖値に応じてその都度インスリンの調整ができる、そしてなによりも
血糖値に怯えずに日常生活をより自由に謳歌できる→それがインスリンポンプの
大きなメリットだと思います。
当院でも既に数名の患者様にインスリンポンプを導入しておりますが、「思い切ってポンプに変更してよかった!!!」とのお声をいただくことも多いです。
注射療法では血糖がなかなか安定しなくて悩んでいる方、インスリンポンプについて
興味がある方、ぜひ一度当院にご相談ください!
お待ちしています😊
おうちのドクター医師 田中紗代子