なぜフットケアが必要なのか?
第4回西南部臨床糖尿病研究会資料より
糖尿病治療目的は?
健康な人と変わらない日常生活(QQL)の維持、健康な人と変わらない寿命の確保
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糖尿病細小血管合併症(神経障害、網膜症、腎症)および動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)の発症進展の阻止
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血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状況の維持
文光堂:糖尿病治療ガイド引用
アセスメント方法
全ての糖尿病患者を対象にしたいVS現実の勤務状況では無理・・・
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足病変のリスク要因をアセスメントし患者の優先順位をつけて介入していく!!
"足の状況" "全身状態" "生活状況" "セルフケア"
の4側面に分けてアセスメントし、特に足病変の予防には"生活状況"と"セルフケア状況"が鍵をにぎっています。
足の状況アセスメントポイント
- 糖尿病神経障害はないか、末梢神経障害はないか
- 皮膚の損傷はないか(圧迫、ずれ、外傷、熱傷など)
- 身体防御機能(皮膚機能、免疫機能、細胞再生力など)
実際に足を診ることが大切です!!
足の甲と踵(かかと)や、足の指の間、足の爪の一本一本。
爪の色や長さ、熱感や冷感はないか、白癬(白癬様)ないか診て下さい。
「糖尿病フットケア技術」、「糖尿病のフットケア」より引用
生活状況のアセスメントポイント
- リスクとなる靴を履く仕事や趣味はないか
- 足の圧迫やずれを増す生活状況はないか
- 足の血管障害を起こしやすい生活状況はないか
- 足の清潔が保ちづらい生活状況はないか
- 外傷、熱傷など危険がおよびやすい生活状況はないか
全身状況アセスメントポイント
皮膚損傷の原因となる身体状況
→姿勢、歩き方の変化による足の荷重増加など
身体防御機能低下にかかわる身体状況
→高血糖、低栄養、末梢神経障害など
「糖尿病看護フットケア技術」より引用
セルフケア状況のアセスメントポイント
セルフケアに影響する身体状況
→運動機能障害、視力障害、認知障害など
- セルフケアが必要なことを知っているか?
- セルフケアの方法を知っているか?
- 実行しづらい状況があるか?
「糖尿病ケア看護フットケア」より引用
糖尿病足病変の要因のうち69%が靴擦れ、19%は熱傷
↓
糖尿病足病変は特別な状況下で起こるわけではない!!
日常生活の中に危険がある
↓
患者さんに気づいてもらい、足に関心をもってもらえるような関わりが必要!
糖尿病フットケア引用
4月〜9月までの実施状況
患者数80名(男49名 女31名)罹患期間は不明者多数のため統計不可
年齢 歳 |
21~30 | 31~40 | 41~50 | 51~60 | 61~70 | 71~80 | 81以上 |
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人数 | 1 | 4 | 17 | 25 | 13 | 19 | 1 |
HbA1c % |
4、6- 6,2 |
6,3- 6,9 |
7,0- 7,9 |
8,0- 8,9 |
9,0- 9,9 |
10,0-10,9 | 11.0以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 20 | 23 | 16 | 11 | 7 | 2 | 1 |
自覚症状
簡易検査での異常
日常フットケア10か条
- 毎日、足をよく観察しましょう
- 毎日、足を洗い清潔を保ちましょう
- 風呂の湯でやけどをしないように
- こたつや電気カーペットは火傷の原因、他の暖房器具を使いましょう
- 裸足で歩かないようにしましょう
- 胼胝やうおのめは病院で処置を
- 爪は少しずつ一直線に切って、後はヤスリで爪の変形に気をつけましょう
- 視力障害があれば爪切りは家族に
- 足にあった靴をはきましょう
- 足に傷が出来たら消毒して、直ちに受診