栄養コラム
糖尿病と血液粘度
まだまだ暑い日が続くようです。この時期はとにかく汗が出ます。ほんの少し外出をしただけで滝のように流れ出す汗。前回、脱水における全身状態の変化をお話させていただきましたが、今回は脱水と関連し糖尿病管理の上で大切である血液の粘度について解説していきます。
血液ドロドロ
健康に関するテレビ番組などで、「血液サラサラ」「血液ドロドロ」など血液粘度を表現する言葉をよく聞きます。血液中の構成成分は様々なものがありますが、その成分は私たちの元々の身体機能に備わった、生体恒常性(ホメオスタシス)という性質により常に一定の値に保たれています。しかしながら、糖尿病の病態ですと、血糖値が基準値をこえ高血糖状態となり、およそ血糖値が180mg/dl以上で、血液粘土が上昇していきます。また糖尿病は中性脂肪、LDLコレステロール値などが上昇しやすく脂質異常症を招き、さらに血液ドロドロ状態を助長することとなります。
健康的な血管を目指しましょう
健康な血管とは高血糖や脂質異常症を管理するだけでは十分ではありません。活性酸素という言葉を聞いたことがあると思いますが、活性酸素が体内で多くなると細胞が酸化し、血管を老化させ、血管の柔軟性を奪います。その結果として、硬くなった血管とドロドロ血液が相まって血液の流れが停滞し、様々な病気を発症していきます。
血液サラサラ、抗酸化作用に効果的な食品は以下のようなものがあります。
- ナットウキナーゼ : 納豆
- アリシン : ニンニク、玉ねぎ、長ねぎ、にら、あさつきなどのネギ属野菜
- DHA・EPA : サバ、イワシ、マグロなどの青魚、エゴマ油、アマニ油
- ビタミンA・C・E : 野菜、果物、ナッツ類
- クエン酸 : 酢、梅干し、レモン、かぼす、ライム、すだち
- ポリフェノール・タンニン・カテキン : お茶、ベリー類、大豆、赤ワイン
- アルギン酸 : 昆布、わかめ、もずくなど
(1~7の食品につては次回、詳しく解説します)
血液をサラサラにする食品、抗酸化作用を有する食品の多くは植物性食品ですが、これらの食品は健やかな腸の健康を保つうえで欠かせない食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は糖質の吸収を緩やかにして、食後血糖の急激な上昇を抑えたり、胆汁酸やコレステロールを吸着し体外に排泄させる作用も持ち合わせています。色々な食品があるので、ひとつに限定せず、多くの種類をバランスよくとることが大切です。
当院栄養指導について
たけおクリニックでは診察後、管理栄養士による栄養指導を行っております。
ご興味のある方は医師にお気軽にお声かけください。
管理栄養士 坂田章
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過去記事はこちらから
●2023年8月 「脱水と夏野菜」
https://takeo-clinic.com/wp-content/uploads/2023/08/dac09dc36a7beebfa6a03194f8432919.pdf