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脂質異常症について

脂質異常症は、以前は高脂血症と呼ばれていた病気です。
脂質が多い場合はもちろん、少ない場合でも脂質異常症となります。

 

脂質異常症の原因

脂質異常症の原因はいくつもありますが、実際は、それらの要因が複数重なった結果として、脂質異常症が生じている場合が多いです。

主な要因としては以下のものが挙げられます。

 

  • 食生活などの生活習慣によるもの
  • 遺伝的な異常によるもの
  • 加齢によるもの
  • 他の病気などによるもの

 

なお、遺伝的にコレステロールの処理能力が低い家族性高コレステロール血症は、両親のどちらかがこの病気の場合、子どもも発病します。

その遺伝子を両方の親から受け継いだホモ型は一般人約100万人に1人と稀な疾患ですが、片方の親だけから受け継いだヘテロ型は一般人約500人に1人と比較的頻度の高い疾患です。

 

脂質異常症の種類

脂質異常症の分類方法には、家族性・二次性など、要因によって分けられる場合もありますが、通常は診断基準による分類が用いられ、主に3つのタイプに分類されます。

 

  • 高LDLコレステロール血症
    悪玉コレステロール(低比重リポ蛋白:LDL)が血液中に多く存在するタイプの脂質異常症です。
    コレステロール検査値の中では、心筋梗塞・狭心症等のリスクが、他の因子に比べ最も高い要素です。

 

  • 低HDLコレステロール血症
    血液中の善玉コレステロール(高比重リポ蛋白:HDL)が少ないタイプの脂質異常症です。
    特に女性の場合、心筋梗塞などの重要なリスクとなります。
    国民栄養調査では、日本人の男性16%、女性5%が該当するとされています。
    善玉コレステロールが少ない状態は、脂質が足りないことが原因で起こり、高脂血症が脂質異常症へと名前変更される理由の一つになりました。

 

  • 高トリグリセリド血症 (高TG血症)
    血液中に中性脂肪(トリグリセリド)が多く存在するタイプの脂質異常症です。
    国民栄養調査では、日本人の男性45%、女性33%が該当するとされています。
    高トリグリセリド血症は、内臓脂肪型肥満の方に多く、現在では心血管疾患との関連があると考える人が多いようです。

 

なお、総コレステロールが上昇している場合でも、LDLコレステロールの方が明らかに心筋梗塞などとの関係が高いため、その重要度は失われています。実際、現在のWHO、アメリカ、日本のガイドラインのいずれも総コレステロール値を診断基準に取り入れていません。

 

脂質異常症の治療

脂質異常症の治療は生活習慣の改善が基本です。
生活習慣の改善は、血中脂質を下げるだけでなく、動脈硬化の進行を防ぐ事も目的になります。
ですから、動脈硬化を促進する他の要素である高血圧、耐糖能異常、肥満なども合わせて改善できるような生活を目指します。

主な内容は、以下の通りです。

 

  • 禁煙
  • 食生活の改善
  • 適正体重の維持
  • 運動量の増加

 

これらの内容を組み合わせ、下の表の目標値に向かい治療を行います。
リスク別脂質管理目標値

LDLコレステロール値以外の腫瘍危険因子
1.加齢(男性45歳以上、女性55歳以上) 
2.高血圧
3.糖尿病(耐糖能異常を含む)
4.喫煙
5.心臓病の家族歴
6.HDLコレステロールの低値(40mg/dL未満)

 

実際の治療

食生活の改善と一言で言っても、人により食生活は違いますので、個別の指導が必要となります。
そのため、当クリニックでは必要により食行動調査等を行い、ひとりひとりに異なる治療法をご相談の上、決定いたしております。
患者さんごとの脂質異常のタイプ等に合わせ、オーダーメードの治療を提供するよう努めております。

 

脂質異常症の症状、患者数、治療の目的についてはこちら

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