「女子の大敵 膀胱炎!」
こんにちは🌸
暦の上ではとうに春なのに、毎日非常に寒い日が続いていますね😢
わたしは人一倍寒いのが苦手なので、毎朝起きるのがもうつらくてつらくて><
春がほんとに待ちどおしいです
(このコラムがアップされる頃には暖かくなっていることでしょう☼)
さて、今日は膀胱炎のお話をしようと思います。
身体の底から冷えるような寒いこの時期によく来院されるのが、膀胱炎の患者様。
細菌が尿道を介して膀胱炎へ侵入し増殖し、炎症を起こすことで発症します。
男性と比較し女性の発症が圧倒的に多く、30代前半までに半数の女性が経験しているといわれるほどポピュラーな病気です。
その理由としては、女性の尿道の入り口が膣や肛門に近く細菌が容易に入りやすい、エストロゲン(女性ホルモン)が膣内の自浄作用に大きく関連しており、加齢とともに減少すると、膣内の環境が乱れ、細菌が繁殖しやすい、等が挙げられます。
主な症状は、排尿時の痛み・残尿感・尿の濁り、血尿などです。
通常は、尿沈渣(尿中の白血球数や細菌量をみる検査)や、尿培養(原因菌を同定する検査)を行いますが、結果がでるのに時間がかかるため、症状のみで診断をすることも
多いです。
治療ですが、メインは抗菌薬の内服です。
通常は、膀胱炎の起因菌としてメジャーな大腸菌をカバーする抗菌薬を処方します。
しかし近年は、膀胱炎再発時たびたび抗菌薬を服用することで薬剤耐性菌が台頭し、
薬が効きづらくなる悩ましいケースも増えています。
膀胱炎=抗菌薬と処方してしまうわたしたち医師側は耳が痛い話です…
因みにとあるドイツの論文で、尿路感染患者を抗菌薬投与群と鎮痛薬投与群の2群にわけて数日加療し、その後数か月間フォローアップし、その間の症状の再発に関して調査したところ、長期間では、鎮痛薬群は抗菌薬群と比較しネガティブな結果は得られなかったとの報告があり、果たして抗菌薬は必ずしも全例処方が必要なのかを改めて考えさせられました。
また、膀胱炎は生活習慣とも大きく関連しています。
意外に盲点なのが、排便後によく使用しがちなウォシュレット。
ノズルに使用している菌が、使用時尿道口に付着し感染を起こすといわれ、
「温水便座症候群」という病名があるほど、膀胱炎再発例のリスク要因として
注意勧告されています。
トイレットペーパーの拭き方も見直してみましょう。
たとえばやたらごしごし陰部をこすっていないか(ペーパーが陰部に入り込み感染の原因に!)、後ろから前に拭いていないか、とか。
また、水分をしっかりとって適度に排尿することも、
細菌を膀胱内にため込まない上で重要です。
とはいえ膀胱内に細菌があっても、強い免疫力があれば通常炎症は起きません。
疲労、冷え、前述したホルモンの乱れは免疫力低下や
膀胱機能・血流の低下を引き起こすため、基本的なことではありますが、十分な睡眠・バランスのよい食事・温活は必要不可欠です。
また漢方の内服もこれらの症状緩和に有効といわれています。
しかし、これらに気を付けても何度も再発してしまう方は、
尿路結石や腫瘍、尿路の先天的な形成異常等他の病気が隠れている可能性があり、一度超音波検査やCT等の画像検査を受けたほうがいいかもしれません。
一般的に通常の膀胱炎は、症状自体は不快ではあれどあくまで軽症の病気です。
ただ、中には(ご高齢の方や基礎疾患がある方は特に!)、感染が腎臓まで及ぶ
腎盂腎炎、ひいては敗血症にまで進行するケースもあり、日頃から、掛からないように
気を付けましょう♪
おうちのドクター医師 田中紗代子