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糖尿病と高血圧

[2025.03.10]

糖尿病患者は高血圧を併発している確率が高く、その割合は40~60%程度となっています。これは糖尿病でない人の2倍以上です。糖尿病と高血圧は同じ血管障害を引き起こす疾患で互いに影響しあい、動脈硬化や糖尿性腎症、糖尿性網膜症の進行を加速させ、多くの合併症を発症させます。従って、糖尿病を患ったら高血圧と診断されなくても、血圧管理の必要性が出てきます。

 

糖尿病を患うと高血圧を発症しやすい理由

高血糖による循環血液量の増加

  高血糖状態では、血液中の糖分の濃度を薄めようと、細胞内から水分が血管内に侵入したり、腎臓での水分の吸収が増え、体液・循環血液量が多くなり血圧が上昇します。

インスリン抵抗性

  インスリン抵抗性とは、インスリンは分泌されていますが、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態です。インスリンが効きにくくなった状態を補うため、膵臓はインスリンを多量に分泌し、結果的に高インスリン血症を招きます。

高インスリン血症になると体内にナトリウムが蓄積され、やはりそれを薄めようとし て血液量が増え、血圧が高くなります。

肥満

  肥満は2型糖尿病の危険因子のひとつですが、肥満していると交感神経が緊張し、アドレナリン・ノルアドレナリンなど、血圧に深く関係するホルモンの作用が強くなってきます。また、腎臓からはアルドステロンも活発となり、水分やナトリウムを体内に貯めこみやすくなり、血圧が上昇します。

 

血圧のコントロール

・減塩

 厚労省推奨の日本人の食塩摂取基準では一日あたりの食塩摂取量は6gとなっています。しかしながら、現在の日本人の食塩摂取量は1日当たり平均11gであり、他国と比較し、大きく上回っています。塩分含量の高い食品、例えば漬物・佃煮・汁物・加工食品等を摂取しないことが大きな減塩につながります。丼物・ご飯が進むもの・煮物にも注意が必要です。

・体重コントロール

肥満の方は体重をコントロールすることで高血糖や高血圧の改善の可能性があります。体重1㎏の減量で血圧1mmHgの減圧効果が期待できます。3食、規則正しく、バランスの良い食事を心掛け、食事量は腹八分目程度に留めることを意識しましょう。

・運動

  適度な運動は血管を拡張させ、インスリン抵抗性・高インシュリン血症を改善し血圧を下げます。運動による効果は約3日で低下しますので、週2~3回以上が理想ですが、最初は自分が無理なく続けられる頻度から始めると良いでしょう。

・ストレス

  ストレスは血圧を上昇させるホルモンが多く分泌するため、血圧が上昇します。また、これらのホルモンは血糖値も上げるため、心疾患や脳卒中等のリスクを高めます。普段からなるべくストレスを小さいうちに解消し、日々の生活習慣の改善を意識しリラックスできる環境を整えることが大切です。

 

 

 

管理栄養士 坂田章

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