血糖コントロールと体重管理は時間栄養学が重要です
カロリー制限をしても血糖値が良くならない、体重が減らないという方は多くいると思います。なぜでしょうか?血糖コントロール、体重管理が上手くいかない方は時間栄養学という食
べ方を参考にしてみてください。
時間栄養学とは、どの位のカロリーを摂取したのか、何を食べ
るかだけでなく、「いつ(時間)」「どう」食べるかによって、摂取した
栄養素が体内でどのように利用され、健康にどのような影響を与
えるかを研究する学問分野です。
これは、私たちの体に備わっている「体内時計(概日リズム)」が、
栄養素の代謝やホルモン分泌、自律神経の働きなどに深く関わって
いるという考えに基づいたものです。
時間栄養学で注目されているポイント
①朝食の重要性
朝食を摂るだけで血糖・体重コントロールにおいて大きな改善が期待できます。朝食抜
きと肥満患者数は比例しているとの報告がありますが、朝食は、寝ていた体を起こし、体
内時計をリセットする重要な役割を果たします。特に蛋白質食品を含む朝食は、その後
の血糖値の上昇を抑え、日中の代謝を活発化させることが解っています。つまり朝食を
摂取しないと昼食後の血糖値上昇、代謝低下を生じ、中性脂肪等の脂質代謝にも影響がでるようです。
②夕食時間
夕食は就寝時間の3時間前までに済ませることが理想です。
また、夕食の時間にも注意が必要です。
時間遺伝子のひとつにBMAL1(ビーマルワン)
という脂肪合成を促す蛋白質が夜間に増えます。
そのピークは22~午前2時と言われています。
夜遅くの食事や間食は脂肪合成の亢進、睡眠の
質が低下する原因にもなります。
③食事と食事の間隔
食事の間隔を一定に保つことも重要です。食事量はそれほど多くなくとも、毎日の食事
時間が定まらない方はそれだけで体内時計が不安定となり、体の代謝リズムに影響が
でてきます。不規則な食事間隔は、血糖値の乱高下を引き起こす可能性があります。
③食事内容の工夫
食事時間だけではなく、栄養のバランスも考えてください。炭水化物・蛋白質・野菜を
組み合わせて各栄養素の代謝バランスを整えましょう。特に野菜の摂取は重要です。
夕食は消化の良いものを選び、量を控えめにすることで就寝時の負担を軽くします。
時間栄養学は「何を食べるか」でなく、「いつ食べるか」に焦点を当てた学問です。体内時計は栄
養代謝・ホルモンバランス・自律神経に作用し、血糖・体重コントロールに大きく影響します。
時間を意識した食生活を心掛けてください。
管理栄養士 坂田章