糖尿病と熱中症対策
関東甲信越では6月10日に梅雨入りが発表されました。とは言え気温は30度を越える日も多く、
向こう1ヶ月の気温は暖かい空気に覆われやすいため全国的に高いようです。
また、この時期は湿度も上昇します。気象庁は、熱中症への早めの対策を呼びかけています。
糖尿病患者さんは熱中症になりやすい
糖尿病患者さんが熱中症になりやすいのは以下の理由があります。
①脱水状態になりやすい、水分を失いやすい、排尿が多い。
血糖が高い状態が続くと、それを薄めるために血管の外側から血管内に水分を取り込み続け、
血管内の水分量が増加します。そして増加した分の水分を排泄しようとし、尿を大量に排泄させます。
②暑さを感じにくい。
合併症の神経障害を起こしていると、暑さを感じにくく体調不良の発見が遅れることがあります。
③体温調節が上手くいかない。
自律神経障害で汗をかきづらい患者さんが見受けられます。
こまめな休憩と水分補給を
水分は、喉の渇きを感じていなくても摂るようにしてください。補給量は成人では食
事を摂れているのであれば、1日1200ml以上を目安とし、外出時ではそれ以上になります。
一度に大量に摂取するのでなく、こまめに摂ることが大切です。
スポーツやウォーキングでいっぱい汗をかいたからといって、熱中症予防に食塩・ミネラルを
補給しなければと思う方もいますが、食事がしっかり摂れているならばそれほど過剰に意識する必要ありません。
食事が摂れているならば水だけで十分です。
アルコールは・・・
アルコールは利尿作用が強く、尿に排泄され脱水になりやすく水分補給にはなりません。
血糖コントロールが難しい方は熱中症になりやすいので、体温管理・水分補給は極め重要です。
管理栄養士 坂田章