「頻尿を制する」
こんにちは🌸
おうちのドクターの田中です。
本格的な冬シーズンの到来で、日を増す毎に寒さが厳しくなっています🥶
この寒い時期に悩まされるのが頻尿トラブル。
尿が近い、あるいは尿の回数が多い状況を頻尿といいます。
一般的に、日中の頻尿は起床後~就寝までの排尿回数が8回以上の場合、
夜間頻尿は就寝後1回以上トイレに起きなければならず、日常生活に支障をきたしている状態をいいます。
なかでも夜間頻尿は、睡眠不足により倦怠感や集中力の低下をきたし、ご高齢の方に
関しては転倒のリスクにもなります。
夜間頻尿は加齢に伴い増加し、80歳以上では約8割もの方に認められると言われています。
夜間頻尿の原因をざっと挙げると
①過活動膀胱
②排尿量が多い
③心理的問題
といったところでしょうか。
①は、膀胱に少量しか尿が貯留していないのに関わらず尿意切迫感を感じる、膀胱が過剰に収縮してしまう状態であり、
脳神経疾患に付随する神経因性と、前立腺肥大症や出産や加齢により膀胱周囲にある骨盤底筋群が緩むことで起こる非神経因性の2つに
分類されます。
治療は、骨盤底筋群トレーニングや、膀胱を広げたり過度な収縮を抑える薬物療法です。
なかでも骨盤底筋群トレーニングは、専門科を設けている病院も多く、非常に重要視されています。
自宅で簡単にできるトレーニング法として、(肛門をきゅっと締め、頭側に引き上げる状態を10秒間キープする→さらに強い力で数秒締める、
を1セット10回繰り返し1日6セット行う)が週刊新潮に紹介されていたので、ご興味がある方はトライしてみてください♪
②は、そもそも水分摂取量が多い・身体の中で水の巡りが悪い、あるいは利尿作用を
有する薬剤等の服用が考えられます。
しっかりと水分を摂ることは非常に重要ですが、食事で摂取している水分を加味すると
実は過剰に摂取している可能性もあります。
因みに65歳以上の1日必要な水分量は、体重あたり20~30ml程度、食事で摂取する水分は大体600ml前後といわれており(但し心・腎疾患等で水分制限をされている方は除きます)、日ごろ摂取している水分摂取量が過剰ではないか、飲水量を記録したりして今一度見直してみてもいいかもしれません。
また、近年では塩分過剰摂取と夜間頻尿の関連が注目されています。
塩分を多く摂ることで、喉が渇き水分摂取量が増えるだけでなく、自律神経のバランスが崩れ、夜間多尿を引き起こします。
塩分制限で高齢者の夜間頻尿が改善したとの研究報告もあり、水分だけでなく
塩分摂取量を適正にすることも重要です。
水分を摂っても、筋力低下や冷え等があるとめぐりが滞ってしまい、足がむくんでしまいます。
足にたまった水分は就寝中膀胱に移動し、これもまた多尿の原因となるのです。
この対策としては、ふくらはぎの筋力を鍛える、身体を温める、が大切です。
水や血液の巡り、冷えを改善する漢方を服用することで頻尿が改善するケースもあります。
利尿作用を有する薬剤は、利尿剤、一部の降圧薬など、またカフェインが挙げられます。
腎臓の血流を増加したり、水分の体内での再吸収を抑制することで多尿の原因となります。
原因となりうる薬剤の変更したり、カフェイン摂取量を控える等が対策となります。
③は、不安やストレスを抱えている場合、少しの尿意でも気になってしまい
何度もトイレに行ってしまうというケースです。
尿意への固執だけでなく、無意識に排尿により多少なりとも解放感を感じられるのかも
しれません。
頻尿による睡眠障害だけでなく、睡眠障害で尿意に過敏になることでの頻尿も多いようです。
湯舟につかる、深呼吸をするなどして、すこしでも心身を緩める時間をつくる、また睡眠薬や不安を和らげる薬を服用する等が治療となります。
今日はこのへんで♡
夜間頻尿で悩まれている方、ぜひ参考にしていただけますと幸いです♪
おうちのドクター医師 田中紗代子